コーヒーは「最後まで淹れない」ほうが美味しい?その理由をNHK「コーヒーのトリセツ」で確認できました
ハンドドリップでコーヒーを淹れるとき、最後の一滴まで落としきっていませんか?
実はそれ、もったいないことをしているかもしれません。
NHKの番組「コーヒーのトリセツ」で紹介されていた抽出の仕組みを見て、当店”そら”がおすすめしている「半分抽出+半分差し湯」の淹れ方が美味しい理由がはっきりしました。
今回は、その内容を共有します。
抽出の前半と後半では、出てくる成分がまったく違う
番組で紹介されていたグラフがこちらです。
※画像出典:NHK「コーヒーのトリセツ」より

ドリップの始まり(1番)から終わり(4番)に向かって、抽出される成分が変わっていきます。
1番(序盤)… 酸味と香り。色も濃く、一番華やかな部分。
2番… 甘さが加わる。
3番… 苦みが出てくる。
4番(終盤)… 強い苦み。雑味やエグみなど、不快に感じやすい成分。
つまり、最後まで淹れきると「美味しい成分」と「余計な成分」が混ざってしまうわけです。
そらがおすすめする淹れ方:半分抽出+半分差し湯
当店でおすすめしている淹れ方は、3番の入り口くらいまでを抽出し、そこでドリップを止めて、残りはお湯を足す(差し湯する)方法です。
こうすることで、酸味・香り・甘さといった美味しい部分だけを抽出し、雑味やエグみの侵入を防ぎます。足りない液量はお湯で補うので、薄くなりすぎることもありません。
飲み比べてみると、差し湯をしたほうがクリアで飲みやすいと感じる方が多いです。
もちろん、苦みが好きな方は最後まで抽出するのもアリ。好みや気分で淹れ方を変えてみるのも、コーヒーの楽しみ方のひとつです。
蒸らしが大事な理由は「豆の構造」にある
番組ではもうひとつ、蒸らしの重要性についても触れられていました。
こちらはコーヒー豆の断面画像です。
※画像出典:NHK「コーヒーのトリセツ」より

お湯を注いだときにモコモコっと膨らむのは、この無数の穴からガス(二酸化炭素)が出るからです。
蒸らしの工程は、いわば準備運動。ゆっくりとお湯を注いで粉全体に行き渡らせ、ガスを適度に抜くことで、2投目以降のお湯がしっかり粉の内部に染み込めるようになります。
「焙煎直後のコーヒーは美味しくない」は本当?
よく聞く話ですが、個人的にはそう思いません。
焙煎直後のコーヒーが美味しくないと言われる理由は、ガスの量が多すぎて粉にお湯が染み込みにくいから。つまり「豆が悪い」のではなく、「抽出がうまくいきにくい」だけです。
しっかり蒸らしてお湯を染み込ませれば、焙煎直後でも美味しく飲めます。実際、自分は日常的に焙煎直後のコーヒーを飲んでいますが、美味しくないと感じたことはありません。
むしろ、時間が経ったコーヒーのほうが味が落ちたと感じることはあります。
「膨らまない=美味しくない」でもない
補足ですが、お湯を注いでも膨らまないコーヒーが美味しくないかというと、それも違います。
浅煎りの豆や、あえてガス抜き・エイジングをした豆は膨らみにくいですが、ちゃんと美味しいです。ただ、膨らみがない分、お湯の注ぎ方やタイミングの調整が必要で、個人的には上級者向けだと感じます。
初めての方や手軽に美味しいコーヒーを楽しみたい方は、焙煎したてのコーヒー豆がおすすめです。膨らみがあるぶん蒸らしもやりやすく、淹れる自由度が高い。日に日に香りや味が変化していくのも楽しめます。
まとめ:正解はあなたの「美味しい」の中にある
抽出の仕組みを知ると、淹れ方の選択肢が広がります。
でも最終的に大切なのは、ご自身の「美味しい」という感覚です。
差し湯をしてクリアに仕上げるのもよし、最後まで淹れてしっかり苦みを出すのもよし。今日の気分で選んでみてください。
美味しいコーヒーで、日々の生活がちょっと豊かになれば嬉しいです。
美味しいコーヒーを淹れる